ギャラリーはこちら

白内障手術における眼内レンズ(IOL)摘出・交換時の必要物品チェックリスト

白内障手術では、IOL(眼内レンズ)を眼内に挿入します。

しかし、術後合併症やレンズ位置の不良、度数の不一致など、さまざまな理由で一度挿入したIOLを摘出し、交換しなければならない場合があります。

頻度としては非常に稀ですが、その分、いざ必要になった際には物品準備で手間取ることが少なくありません。

本記事では、IOL摘出・交換手術に必要な代表的物品をまとめました。現場でのチェックリストとしてもご活用ください。


3ピース眼内レンズ

IOL摘出後、新たに挿入する眼内レンズです。

水晶体嚢の状態にもよりますが、嚢外固定が必要となるケースでは3ピースIOLが選択される傾向があります。

→[3ピース構造(支持部と光学部が別素材)の眼内レンズ比較と性能の違い


ナイフ類

摘出のために創口を拡大する際に使用します。

  • スリットナイフ
  • クレセントナイフ
  • Rスリットナイフ

この中から1本を選択するケースが多く見受けられます。


IOLカッターまたはレンズグラバー

IOLカッター+ホールディング鑷子

眼内のレンズを鑷子で掴み、カッターで分割します。

  • IOLカッターは19Gの細さで操作性良好
  • ホールディング鑷子は強膜内固定でも使用可能
  • MST社製セットが高い操作性で人気
    →[MST IOLカッター製品情報]

レンズグラバー

レンズを直接掴んで引き出すシンプルな方法です。


A-VITカッター

硝子体の流出状況により必要になります。

未開封で準備が必要です。


縫合糸

IOL摘出の際、創口が広くなることが想定される為、縫合用の糸が必要になる傾向です。


まとめ:チェックリスト

IOL摘出・交換術で準備すべき主な物品は以下の通りです。

  • 3ピース眼内レンズ
  • ナイフ(スリット/クレセント/Rスリットのいずれか)
  • IOLカッターセットまたはレンズグラバー
  • A-VITカッター
  • 縫合糸

※IOL逢着や強膜内固定必要な物品は含まれておりません。


稀な手技だからこそ、事前準備と器具の把握が重要です。

この記事を参考に、院内の物品リスト作成や新人スタッフ教育にもお役立てください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA