こんにちは、ましお.です。
今回は3ピース(支持部と光学部が別素材)の眼内レンズについてです。

今回の記事は次のような方におすすめです。
・白内障手術で使用する眼内レンズの内、3ピース構造のレンズに対応できるメーカーを知りたい方。
・3ピース構造のレンズを準備しておく際に必要な部材を確認しておきたい方。
・3ピース構造のレンズの内、ご自身の使い方にあった性質の商品を探したい方。
3ピース構造の眼内レンズはレンズ本体以外に必要なものがあったりなかったりとメーカーによって様々です。
パワー範囲も様々で、患者様に合わせてメーカーを変えざるを得ないこともあります。
今回はそんな3ピースの眼内レンズについての情報をまとめています。
確認のポイントはこちらです。
- 同社で取り扱いのある1ピース構造の代表的モデルは何か。
- どれだけのパワー範囲の取り扱いがあるのか。
- インジェクターやカートリッジは必要か。
- レンズ光学部の素材は何を採用しているか。
- インジェクター挿入に必要な創口はどれくらい必要か。(推奨値)
※メーカー五十音順です。
・Clareon AutonoMe(クラレオンオートノミー) CNA0T0
・UltraSert(ウルトラサート) AU00T0
アルコン社 MN60AC

モデル | MN60AC |
パワー範囲 | +6.0D~+30.0D(0.5Dstep) |
全長 | 13.0mm |
光学部径 | 6.0mm |
A定数(カタログ値) | 118.4 |
インジェクター カートリッジ | インジェクター:モナークⅣハンドピース(リユース) カートリッジ:Bカートリッジ(ディスポ) |
特徴 | ハイコンベックス・前面凸・3ピース・着色 |
推奨創口幅 | 約3.2mm〜 |
アルコン社 MA50BM
モデル | MA50BM |
パワー範囲 | +6.0D~+30.0D(0.5Dstep) |
全長 | 13.0mm |
光学部径 | 6.5mm |
A定数(カタログ値) | 118.9 |
インジェクター カートリッジ | インジェクター:モナークⅡハンドピース(リユース) カートリッジ:Aカートリッジ(ディスポ) |
特徴 | ハイコンベックス・後面凸・3ピース・非着色 |
推奨創口幅 | 約3.5mm〜 |
アルコン社 MN60MA

モデル | MN60MA |
パワー範囲 | -5.0D〜+5.0D(1.0Dstep) |
全長 | 13.0mm |
光学部径 | 6.0mm |
A定数(カタログ値) | 118.9 |
インジェクター カートリッジ | インジェクター:モナークⅡハンドピース(リユース) カートリッジ:Aカートリッジ(ディスポ) |
特徴 | メニスカス・3ピース・着色 |
推奨創口幅 | 約3.5mm〜 |

アルコン社は幅広いラインナップ展開をしているので要望にあった商品が提供できる可能性が高そうです。
・テクニスオプティブルー DCB00V
・テクニスアイハンス DIB00V
AMO社 ZA9003
モデル | ZA9003 |
パワー範囲 | +10.0D~+30.0D(0.5Dstep) |
全長 | 13.0mm |
光学部径 | 6.0mm |
A定数(カタログ値) | 119.1 |
インジェクター カートリッジ | インジェクター:アンフォルダーエメラルド カートリッジ:エメラルドカートリッジ |
特徴 | 非球面・3ピース・非着色 |
推奨創口幅 |
AMO社 AR40e
モデル | AR40e |
パワー範囲 | +6.0D~+30.0D(0.5Dstep) |
全長 | 13.0mm |
光学部径 | 6.0mm |
A定数(カタログ値) | 118.4 |
インジェクター カートリッジ | インジェクター:アンフォルダーエメラルド カートリッジ:エメラルドカートリッジ |
光学部特徴 | 球面・3ピース・非着色 |
推奨創口幅 |
・アバンシィ YP2.2R
興和社 アバンシィAN6MA

引用:興和株式会社 ホームページ
モデル | AN6MA |
パワー範囲 | -7.0D〜+5.0D(1.0Dstep) |
全長 | 13.0mm |
光学部径 | 6.0mm |
A定数(カタログ値) | 116.9 |
インジェクター カートリッジ | インジェクター:メドショット(ディスポ) |
光学部特徴 | メニスカス・非球面・3ピース・着色 |
推奨創口幅 | 強角膜2.8mm・角膜3.0mm |
興和社 アバンシィPN6AS.PU6A

引用:興和株式会社 ホームページ
モデル | PN6AS | PU6A |
パワー範囲 | +6.0D〜+9.0D(1.0Dstep) +10.0D~+26.0D(0.5Dstep) | +6.0D〜+9.0D(1.0Dstep) +10.0D~+26.0D(0.5Dstep) |
全長 | 13.0mm | 13.0mm |
光学部径 | 6.0mm | 6.0mm |
A定数(カタログ値) | 118.7(超音波)/119.0(光学式) | 118.7(超音波)/119.0(光学式) |
インジェクター カートリッジ | プリセット(一体型) | プリセット(一体型) |
光学部特徴 | バイコンベックス・非球面・3ピース・着色 | バイコンベックス・非球面・3ピース・非着色 |
推奨創口幅 | 強角膜2.4mm・角膜2.8mm | 強角膜2.8mm・角膜3.0mm |

興和社はローパワーに対応できることと、一般パワー範囲はプリセットの3ピースレンズを取り扱っているのが最大の特徴です。
・レンティスコンフォート LS-313 MF15
参天製薬社 NX-70S.X-70S
モデル | NX-70S | X-70S |
パワー範囲 | +10.0D〜+27.0D | +10.0D〜+27.0D |
全長 | 13.2mm | 13.2mm |
光学部径 | 7.0mm | 7.0mm |
A定数(カタログ値) | 118.9 | 118.9 |
インジェクター カートリッジ | インジェクター:エタニティーアクセスイーズまたはエタニティーアクセススクリュー(ディスポ) | インジェクター:エタニティーアクセスイーズまたはエタニティーアクセススクリュー(ディスポ) |
光学部特徴 | 光学部径7.0mm・着色 | 光学部径7.0mm・非着色 |
推奨創口幅 |

参天製薬社の3ピース眼内レンズは光学部が7.0mmあるのが最大の特徴です。ループ部分の素材も強膜内固定に適するようです。
・Vivinex(ヴィヴィネックス) XY1
・iSert(アイサート) 255
HOYA社 PY-60AD
モデル | PY-60AD |
パワー範囲 | +6.0D〜30.0D(0.5Dstep) |
全長 | 12.5mm |
光学部径 | 6.0mm |
A定数(カタログ値) | 118.4 |
インジェクター カートリッジ | プリセット(一体型) |
光学部特徴 | 非球面・3ピース・着色 |
推奨創口幅 |
HOYA社 YA-60BB.YA-60BBR

モデル | YA-60BB | YA-60BBR |
パワー範囲 | -7.0D〜+5.0D(1.0Dstep) | +31.0D〜+40.0D(1.0Dstep) |
全長 | 12.5mm | 12.5mm |
光学部径 | 6.0mm | 6.0mm |
A定数(カタログ値) | 118.7 | 118.4 |
インジェクター カートリッジ | インジェクター:HOYA-IS(リユース) カートリッジ:Type-C1(ディスポ) | インジェクター:HOYA-IS(リユース) カートリッジ:Type-C1(ディスポ) |
光学部特徴 | レンズ形状パワーによる・3ピース・着色 | 球面・3ピース・着色 |
推奨創口幅 |

HOYA社はローパワー・ハイパワー・プリセットの3ピースレンズを取り扱っており、まんべんなく対応できるメーカーです。最近はハイパワーレンズの製造を取りやめつつあるので使用の際には注意が必要なようです。
まとめ

今回は3ピースの眼内レンズについて取り上げました。
主な違いは下記の通りです。
- 度数範囲にもよりますがプリセットタイプがあります。
- 光学部径が7.0mmのものがあります。

バックアップとして準備される3ピースレンズですが、最近は使用頻度の低下からメーカーが販売に消極的です。
なくては困る、しかし基本的に使わない。
こんな商品がいつまで販売できるのか疑問です。
僕のおすすめはプリセットで別途消耗品が必要ない興和社のアバンシィです。