スリットランプ徹底比較｜眼科医療現場に最適な細隙灯顕微鏡の選び方

眼科の診察に欠かせない基本機器、スリットランプ（細隙灯顕微鏡）を比較します。

診察室で一日中使用することが多く、買い替えの頻度も少ないため、納得のいく1台を選ぶことが大切です。

ご購入の参考になれば幸いです。

選定のポイントは以下のとおりです：

• 使い慣れたタイプかどうか
• スライディングテーブルを同一メーカーでセット購入できるか
• 慣れた倍率で使用できるかどうか

イナミ社　スリットランプ S.I.GLANDEⅡEGG

イナミ社のスリットランプはハロゲン電球を選択することができます。

引用：株式会社イナミ　ホームページ

※画像から公式ページを確認できます。

→EGGのカタログはこちら

特徴は以下のとおりです:

• ランプハウスが上にあるハーグタイプ。
• 同社でスライディングテーブルと電動患者椅子のセット販売可能。
• “S.I.Grande”機能により、光の大きさをレンズで調整可能。

カールツアイス社　スリットランプ SL800

カールツアイス社のSL800はパラレル鏡筒でハーグタイプの他にはない特徴を持ったスリットランプです。

引用：カールツアイスメディテック株式会社　ホームページ

※画像から公式ページを確認できます。

→SL800のカタログはこちら

特徴は以下のとおりです:

• パラレル鏡筒とコンバージェント鏡筒を選択可能。

コンバージェント鏡筒は患者眼をストレートに観察するため立体視しやすいです。

パラレル鏡筒は両眼の視線を平行にする構造のため疲労軽減につながります。

タカギセイコー社　スリットランプマイクロスコープ700GL/700GL NSW/4ZL

NSWタイプの公式ページはこちら。NSWタイプはハーグ社のステレオバリエータに近い機能が付いています。

引用：株式会社タカギセイコー　ホームページ

※画像から公式ページを確認できます。

→700GL・700GL NSWのカタログはこちら

特徴は以下のとおりです:

• ハーグタイプ、ツアイスタイプどちらも販売可能。
• 同社でスライディングテーブルと電動患者椅子のセット販売可能。
• 視路角を変更できるNSWタイプの選択が可能。

トプコン社　スリットランプSL-D701/SL-D4

トプコン社のSL-D4はツアイスタイプかつハロゲン電球を選べます。

引用：株式会社トプコンメディカルジャパン　ホームページ

※画像から公式ページを確認できます。

→SL-D701・SL-D4のカタログはこちら

特徴は以下のとおりです:

• 必須の検査機器を同社でまとめ購入可能。
• ハーグタイプ・ツアイスタイプのスリットランプを選択可能。

ニデック社　細隙灯顕微鏡スリットランプSL-2000

ニデック社のSL-2000は同社の各色光凝固装置としても販売されているスリットランプです。

引用：株式会社ニデック　ホームページ

※画像から公式ページを確認できます。

特徴は以下のとおりです:

• 必須の検査機器を同社でまとめ購入可能。

同社で光凝固装置の販売があり、このスリットに装備できます。［【眼科医療機器】マルチカラーレーザ光凝固装置を比較］

ハーグストレイト社　スリットランプ900BQ

ハーグストレイト社の900BQはオプションが多彩で、例えば6.3X〜40Xのズームスリットにできます。

引用：株式会社JFCセールスプラン　ホームページ

※画像から公式ページを確認できます。

→900BQのカタログはこちら

特徴は以下のとおりです:

• スリットランプのメーカーの歴史が長く安心。
• 専用オプションが多彩。

ニコン社　スリットランプNS-1000

ルノー社のRO-8000は総合倍率が低めに設定されています。

引用：株式会社ニコンソリューションズ　ホームページ

※画像から公式ページを確認できます。

特徴は以下のとおりです:

• パラレル鏡筒を選択可能。

スリットランプと同時購入すべき器械4選

アプラネーショントノメーター

スリットランプに取り付けることで、診察室内で直接眼圧測定が可能になります。

基本的にはスリットランプとセットで販売されることが多く、取り外しも可能です。

診察の流れを妨げずに眼圧が測定できる点が大きなメリットです。

スライディングテーブルおよび電動患者椅子

引用:株式会社イナミ　タカラベルモント株式会社　ホームページ

スリットランプ専用の診察台と、上下に可動する患者椅子のセットです。

理想的な設置方法は、スリットランプが使用時のみ医師と患者の間にスムーズに配置されること。

そのためには、しっかりとした重量のあるスリットランプを安定して支えるスライディングテーブルが不可欠です。

患者の体格に合わせて高さを調整できる電動椅子との併用で、より快適な診察環境が整います。

スライディングテーブルと患者椅子も各メーカーから販売があります。［【眼科医療機器】スライディングテーブルと電動患者椅子を比較］

カメラ（Cマウントアダプター・ビームスプリッター）

スリットランプの映像を静止画として保存できるカメラシステムです。

診察内容を記録できるだけでなく、患者さんへの説明にも活用できます。

画像をパソコンに取り込む際には、専用のファイリングシステムなども必要となるため、導入時にはその点も考慮しましょう。

電子カルテやファイリングシステムはメーカーごとに様々な特徴があります。［20241211電子カルテの選択肢について］

まとめ

眼科の基本機器であるスリットランプ（細隙灯顕微鏡）の比較をご紹介しました。

日々の診察で長く使い続ける機器だからこそ、操作性や周辺機器との互換性など、ご自身のスタイルに合った1台を選ぶことが大切です。

本記事が、ご購入の一助となれば幸いです。