こんにちは、ましお.です。
今回は特殊なパワー範囲に対応できる眼内レンズのご紹介です。

今回の記事は次のような方におすすめです。
・白内障の手術で使用する眼内レンズの内、特殊なパワー範囲に対応できるメーカーを知りたい方。
・特殊なパワー範囲のレンズを使用する際、レンズ以外に必要な物品を確認したい方。
・特殊なパワー範囲のレンズの内、自身に合った性質の商品を探したい方。
ローパワー、ハイパワーの眼内レンズを使用する機会はあまりありません。
いざ使用する時になって、インジェクターやカートリッジは必要なんだっけ?なんてこともあります。
準備しておいたものを確認してみると滅菌期限切れ・・・なんてこともしょっちゅうです。
今回はそんな特殊パワー範囲の眼内レンズについて情報をまとめています。
確認のポイントはこちらです。
- どれだけのパワー範囲の取り扱いがあるのか。
- インジェクターやカートリッジは必要かどうか。
- レンズ本体が1ピースレンズか3ピースレンズか。
- レンズ光学部の素材は何を採用しているか。
- インジェクター挿入の際の創口はどれくらい必要か。(推奨値)
※メーカー五十音順です。
多くの眼内レンズは+6.0Dからのパワー範囲で販売されます。
そのためここでは+5.0D以下をローパワーの眼内レンズとしてまとめています。
アルコン社 MN60MA

モデル | MN60MA |
パワー範囲 | -5.0D〜+5.0D(1.0Dstep) |
全長 | 13.0mm |
光学部径 | 6.0mm |
A定数(カタログ値) | 118.9 |
インジェクター カートリッジ | インジェクター:モナークⅡハンドピース(リユース) カートリッジ:Aカートリッジ(ディスポ) |
光学部特徴 | メニスカス・3ピース・着色 |
推奨創口幅 | 約3.5mm〜 |

アルコン社は幅広いパワー範囲に対応できるので安心ですね。
興和社 アバンシィAN6MA

引用:興和株式会社 ホームページ
※画像から公式ページを確認できます。
モデル | AN6MA |
パワー範囲 | -7.0D〜+5.0D(1.0Dstep) |
全長 | 13.0mm |
光学部径 | 6.0mm |
A定数(カタログ値) | 116.9 |
インジェクター カートリッジ | インジェクター:メドショット(ディスポ) |
光学部特徴 | メニスカス・非球面・3ピース・着色 |
推奨創口幅 | 強角膜2.8mm・角膜3.0.mm |

興和社はインジェクターをメドショットに一本化しているのでわかりやすいですね。
HOYA社 YA-60BB

※画像から公式ページを確認できます。
モデル | YA-60BB |
パワー範囲 | -7.0D〜+5.0D(1.0Dstep) |
全長 | 12.5mm |
光学部径 | 6.0mm |
A定数(カタログ値) | 118.7 |
インジェクター カートリッジ | インジェクター:HOYA-IS(リユース) カートリッジ:Type-C1(ディスポ) |
光学部特徴 | レンズ形状は度数範囲により異なる・3ピース・着色 |
ノズル外径 | 2.13mm |

HOYA社も対応範囲が広いです。最近はパワー範囲を少しずつ狭めているようです。
ニデック社 Nex-Acri AA Aktis N4-18YG

引用:株式会社ニデック ホームページ
※画像から公式ページを確認できます。
モデル | N4-18YG |
パワー範囲 | +1.0D〜+10.0D(1.0Dstep) +10.0D〜+27.0D(0.5Dstep) +27.0D〜+30.0D(1.0Dstep) |
全長 | 13.0mm |
光学部径 | 6.0mm |
A定数(カタログ値) | 118.4 |
インジェクター カートリッジ | インジェクター:IJ-2ハンドピース(リユース) カートリッジ:Type3Cカートリッジ(ディスポ) |
光学部特徴 | 非球面・3ピース・着色 |
ノズル外径 |

+1.0D~です。
多くの眼内レンズは+30.0Dまでのパワー範囲で販売されます。
そのためここでは+31.0D以上をローパワーの眼内レンズとしてまとめています。
アルコン社 SN60AT.SA60AT
※製造終了しております。
モデル | SN60AT | SA60AT |
パワー範囲 | +31.0D〜+34.0D(1.0Dstep) | +31.0D〜+34.0D(1.0Dstep) |
全長 | 13.0mm | 13.0mm |
光学部径 | 6.0mm | 6.0mm |
A定数(カタログ値) | 118.4 | 118.4 |
インジェクター カートリッジ | インジェクター:モナークⅡ〜Ⅲハンドピース(リユース) カートリッジ:Bカートリッジ(ディスポ) | インジェクター:モナークⅡ〜Ⅲハンドピース(リユース) カートリッジ:Bカートリッジ(ディスポ) |
光学部特徴 | ハイコンベックス・前面凸・1ピース・着色 | ハイコンベックス・前面凸・1ピース・非着色 |
推奨創口幅 | 約3.2mm〜 | 約3.2mm〜 |

販売できなくなってきている商品なのでご使用には注意が必要です。
HOYA社 YA-60BBR
※製造終了しております。
モデル | YA-60BBR |
パワー範囲 | +31.0D〜+40.0D(1.0Dstep) |
全長 | 12.5mm |
光学部径 | 6.0mm |
A定数(カタログ値) | 118.4 |
インジェクター カートリッジ | インジェクター:HOYA-IS(リユース) カートリッジ:Type-C1(ディスポ) |
光学部特徴 | 球面・3ピース・着色 |
ノズル外径 | 2.13mm |

販売できなくなってきている商品なのでご使用には注意が必要です。
まとめ

今回はハイパワーとローパワーの眼内レンズを取り上げました。
主な違いは下記の通りです。
- ハイパワーとローパワー、どちらも取り扱っているメーカーがあります。
- ハイパワーとローパワー、共に度数範囲に違いがあります。

ハイパワーとローパワーのレンズはどのメーカーもセッティングが必要です。
当然カートリッジなどの滅菌物が必要です。
コストや管理の簡便さを考慮すればインジェクターやカートリッジは一本化したいところです。