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GHTとは?視野検査で緑内障を見つける指標をわかりやすく解説

眼科で使用される静的視野計は、視界の中心に異常がないかを調べるための自覚検査です。

この検査結果には略語や数値が多く、視野検査に不慣れな医療従事者にとっては理解が難しい部分も多いのが現状です。

今回は、視野のバランスから緑内障の可能性を評価する指標「GHT」について解説します。

GHTとは?

GHT(Glaucoma Hemifield Test)は、視野結果の上半分と下半分(計5対の対照領域)のバランスを比較し、緑内障特有のパターンが出ているかどうかを評価する指標です。

結果の表示は以下の3種類:

  • 「正常範囲内」:統計的に正常と判断される範囲
  • 「要再検査」:やや不均衡で再検査を推奨
  • 「正常範囲外」:器械的に緑内障が疑われるパターン

特に「正常範囲外」と表示された場合は、視野の形状が緑内障に特徴的である可能性が高く、他の指標と合わせて精査が必要になります。

PSDとは?(GHTとセットでチェックしたい指標)

PSD(Pattern Standard Deviation)は、「視野感度のバラつき(=崩れ)」を数値化した指標です。

  • 単位は dB(デシベル)
  • 数値が高いほど局所的な異常があることを示します
  • 初期の緑内障など、一部だけ異常が出る段階で反応しやすい指標

PSDって何?という方はこちら。MD・VFIと一緒に説明しています。[視野検査の指標『MD』『VFI』とは?意味・違い・見方をやさしく解説

GHTとPSDをセットで見ると?

指標評価内容
PSD感度のばらつき=局所的な異常の有無
GHT視野全体のバランス=緑内障特有のパターンの有無

この2つの指標を組み合わせて確認することで、

  • GHTで視野の「形の異常」を検出し
  • PSDで「局所的な感度の異常」がないか補完する

といった具合に、緑内障の見逃しを防ぐことができます。

まとめ

GHTは視野のバランス、PSDは局所的な感度の異常を示す指標です。

どちらも緑内障の早期発見に重要な役割を果たすため、セットでチェックすることが大切です。

視野検査の数値を正しく読み解くことで、見逃しのない診断が可能になります。

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