白内障術後やトラブル発生時、IOL(眼内レンズ)を摘出・交換するシーンは多くありませんが、確実で安全な操作が求められます。
特に、できるだけ小さな切開でIOLを取り出すことは、角膜乱視の増悪予防や術後視機能の安定に直結します。
この記事では、IOL摘出に使用される主要デバイス(IOLカッター/把持鑷子)をわかりやすく紹介し、それぞれのメリット・特徴を整理します。
IOLカッター・把持鑷子とは?
IOL摘出用デバイスは、眼内でレンズを安全に切断・把持するための器械で、
- IOLカッター(切断)
- 把持鑷子(把持して引き出す)
の2つに大きく分かれます。
これらを適切に使い分けることで、切開拡大を最小限に抑え、術後乱視や組織ダメージを軽減できます。
IOLカッター(スプリングタイプ)
もっとも伝統的なIOLカッターで、一般的なハサミのような構造を持ちます。
刃の構造により、以下の2種類があります。
特徴
- 刃や構造が頑丈で壊れにくい
- 2枚刃タイプ:シンプルなハサミ構造
- 1枚刃タイプ:ナタのように土台へ刃を下ろす方式で、IOLの傾きを抑えやすい
メリット
- 構造がしっかりしており信頼性が高い
- 1枚刃タイプはレンズが逃げにくく、切断が安定しやすい
→ 2枚刃タイプ:[オッシャー氏IOLカッター 5.0mm刃 曲]
→ 1枚刃タイプ:[ステンメッツ氏IOLカッター 6.5mm刃]
IOLカッター(シャフトタイプ)
細いシャフトの先端に小さな刃を配置したタイプで、最近は小切開白内障手術との相性が良く採用が増えているデバイスです。
特徴
- 長いシャフトで眼内へ直接アプローチ
- 視野確保がしやすく片手操作が安定
メリット
- 切開拡大を最小限に抑えられる
- 眼内での操作性が高く、乱視リスクを高めにくい
- レンズの折れ線に合わせて細かいコントロールがしやすい
把持鑷子(レンズグラバー)
IOLをつかんで引き出すための専用鑷子。
術中にレンズが逃げたり後方に落ちるリスクを抑えるため、強い把持力を持つように設計されています。
メリット
- 操作がシンプルで使いやすい
- 刃物ではないため、切れ味劣化の心配がない
- カッターとの併用で摘出がよりスムーズ
→ [野口氏IOL把持鑷子19G Lens Grabber・ ショート]
注意点
使用頻度自体は多くないため、コスト面とのバランス検討が必要です。
まとめ|IOL摘出デバイスは「小切開の維持」が最大の価値
IOL摘出は頻度こそ多くありませんが、トラブル対応としては避けて通れません。
今回紹介した3つのデバイスには、それぞれ明確な役割と強みがあります。
▼用途別の簡易まとめ
- スプリングタイプ:安定感と切断力を重視
- シャフトタイプ:小切開維持&眼内操作性を重視
- 把持鑷子:IOLのコントロール・摘出を安定させたいとき
特に、術後乱視増悪を抑えるためにも切開拡大を避けることは重要です。
デバイスを使い分けることで、眼内レンズ再手術の安全性と精度は大きく向上します。
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