近年、より低侵襲な硝子体手術のニーズが高まる中で、27Gバックフラッシュニードルの重要性が増しています。
しかしそのラインナップは一見すると似通っており、実際には術中の取り回しやフィーリングに違いがあることに、使ってみて初めて気づくことも多いものです。
本記事では、27Gのバックフラッシュニードルに絞り、タイプ別(スタンダード/先端収納)に特徴を整理します。微細な操作性を重視する医師にとって有益な視点で解説します。
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バックフラッシュニードルとは?
バックフラッシュニードルとは、先端にシリコン製ソフトチップを備えた吸引用カニューレです。網膜近傍の吸引操作に用いられ、網膜保護と吸引効率の両立が求められる器具の一つです。
27Gは特に創口が小さく、術後の回復が早いことから選ばれる場面が増えています。
スタンダードタイプの27G製品比較
メーカー | 品名 | 型番 | 特徴 |
---|---|---|---|
Alcon | 27G+アドバンストバックフラッシュDSP(ソフトチップ) | 337.88 | 柔軟性と汎用性を両立したモデル |
DORC | ディスポバックフラッシュニードル(ハイボリューム型)ソフトチップ アスピレーション | AU-2281STD04S | ブラッシュチップもラインナップ |
BVI | バックフラッシュ ブラッシュ アスピレーションチューリング付 | BF27.D02 | ブラッシュ構造で視認性に配慮 |
ボルテックス | DSP27Gバックフラッシュアスピレーションチュービング付き | VS0270.27 | 留め具付きで狭小空間でも安定 |
MedOne | バックフラッシュカニューレ27G 0.75mmソフトチップ ライン付 | 3278 | 細軸でより繊細な吸引動作に適応 |
先端収納タイプの27G製品比較
メーカー | 品名 | 型番 | 特徴 |
---|---|---|---|
ボルテックス | DSP27Gバックフラッシュ先端収納アスピレーションチュービング付き | VS0275.27 | 収納&スプリング機構付き、安全性と柔軟性を両立 |
27Gならではの選定ポイント
- 細径ゆえの操作性:25Gに比べてしなやかさが増す一方、過度な柔軟性は扱いにくさの原因にも
- 網膜近傍でのコントロール性:先端の柔らかさや長さが微細な操作の精度に直結
- 収納機構の有無:狭い術野での保護と可動性のバランスに注目
- 手技との相性:術者ごとのフィーリング差が出やすく、試用が鍵
まとめ
27Gバックフラッシュニードルは、25G以上に“使ってみないとわからない”個性が際立つ分野です。
カタログスペックだけでは把握しきれない、術中の細かい操作感・手応え・柔軟性が術者に与える影響は大きいものです。
選定の際は、自身の手術スタイルや操作感の好みに応じて、複数製品を比較しながら導入を検討することが重要です。