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雨に濡れた革靴を磨きながら、父になることを考えた

先日、仕事の帰り道に雨に降られました。

朝だけ雨が降る日もあれば、夕方だけ降る日もあります。とはいえ、長靴を履くほどではないので、いつも通り革靴で出かけました。

けれど、革靴というのはなかなか繊細なもので、少し雨に打たれただけで白いシミが浮いてしまいます。

そのままではとても履けないので、暇を見つけて靴を磨くことにしました。

まずはブラシでホコリを落とし、歯ブラシでアッパーとソールの間に詰まったゴミをかき出します。

次にクリーナーを指でくるくると撫でるように塗り込んでいきます。

作業をしながら、ふと思いました。

そのうち、僕にも子供が生まれる予定です。

いつか一緒に、のんびり靴を磨く日が来るのだろうかと。

僕の父は、靴を磨く人ではありませんでした。

子供の頃の僕も、なぜ大人が靴を磨くのか理解できなかった。「そんなことをして、何になるの?」と、少し冷めた目で見ていた気がします。

クリーナーを終えたら、次は靴クリームです。

ペネトレィトブラシで全体に塗り広げ、豚毛ブラシでさらに刷り込みます。

履き続けて少し色が落ちた銀面が、じんわりと蘇ってくる瞬間が好きです。

靴を磨くたび、増えていく傷が目に入ります。

「もっと丁寧に履けばよかったな」と、少し反省もします。

そして最後にクロスで磨き上げて、今日の靴磨きは完了です。

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