眼科で使われる静的視野計(ハンフリーなど)は、視野の中心付近に異常がないかを調べるための自覚的検査です。
この検査結果には略語や数値が多く、視野検査に不慣れな医療従事者にとっては理解が難しい部分も少なくありません。
この記事では、視野進行の評価に使われる「GPA(Guided Progression Analysis)」の中でも、もっともよく使われる GPAサマリー(GPA summary) についてわかりやすく解説します。
GPAとは何か?
GPA(Guided Progression Analysis)とは、緑内障の進行を検出するための視野解析機能のことです。
もっとも古い2回分の視野検査(=ベースライン視野)と、最新の視野結果を比較して、進行の有無を評価します。
GPAサマリーはどんな表示?
GPAサマリー(GPA summary) は、視野進行評価を1ページにまとめた簡易表示です。以下の内容が含まれます:
- ベースライン視野(最初の2回)
- 最新の検査結果(グレースケールやPDなど)
- ベースラインと比較した感度の変化
- 進行評価(例:Likely progression = 進行の可能性が高い)
- VFIスロープ(Visual Field Index の変化傾向)
とくに、ベースラインと比べて感度が落ちたポイントを視覚的に確認できる点が重要です。
他のGPA表示形式との違い
種類 | 表示内容 |
GPAサマリー | ベースラインと最新1回の比較、進行評価の要約表示 |
GPA-SFA | 基本の視野検査(実測閾値・TD・PD)に加え、進行評価用のデータを付加 |
GPAラストスリーフォローアップ | ベースラインと直近3回分の検査結果を並べて、視覚的に推移を確認可能 |
まとめ
GPAサマリーは、緑内障の進行評価において非常に使いやすい形式です。
「過去と現在を比較して、視野がどれだけ変化したか」を一目で確認できるのがポイント。
他の表示方法(SFAやラストスリー)と組み合わせることで、より深く視野の推移を把握できます。