CASIAで円錐角膜のスクリーニング画面を見ていて、「Instantaneous power(Posterior)」というマップに気づきました。
これって何を示しているんだろう?なぜ後面だけが強調されるのか?気になったので調べてみました。
Instantaneous Powerとは?
直訳すると「瞬時屈折力」。
少しわかりにくい言い方ですが、これは角膜のある地点におけるカーブの強さ、つまりその場所がどれくらい屈折力を持っているかを示したものです。
この屈折力は角膜の曲率(どれだけ丸いか)から計算され、単位はディオプター(D)です。
なぜ「posterior(後面)」が注目されるのか?
円錐角膜は角膜の中央〜下部が局所的に前方へ突出してくる病気です。
その初期変化は、角膜後面(posterior surface)に最初に現れるとされています。
角膜前面は、涙やコンタクトレンズなどで一見なだらかに見えてしまうことがあります。
しかし後面は、内部からの変形をよりダイレクトに反映するため、早期の微細な突出も見逃しにくいのです。
このため、角膜後面のinstantaneous powerマップは、
「表面がまだ正常に見える段階の異常」を見つけるのに役立つわけです。
まとめ
「Instantaneous Power(Posterior)」は、
角膜後面のカーブがどのくらい強く、局所的に変化しているかをマップ化したもの。
見た目だけではわからない微細な変化を拾う、早期診断に役立つ重要な指標なのです。
なんとなく目にしていたマップの中に、こんな深い意味があるとは驚きでした。