白内障手術において、眼軸長測定は眼内レンズ(IOL)選定のために欠かせない検査です。
中でも、スウェプトソース光源を使用した光眼軸長測定は、白濁や難症例にも対応可能で、正確かつ効率的な測定を実現します。
さらに、新たなIOL計算式「Barrett UⅡ」や、トータルケラトメトリー(TK)の導入により、術後の見え方の質を高めることが可能になってきました。
本記事では、2024年にアップデートされたトーメー社のOA-2000Comfortと、ゴールドスタンダードともいえるZEISS社のIOLマスター700を比較し、それぞれの特長を解説します。
基本スペック比較
項目 | OA-2000Comfort | IOLマスター700 |
メーカー | トーメー | ZEISS(カールツァイス) |
主な測定項目 | AL:眼軸長 K:角膜曲率半径 ACD:前房深度 LT:水晶体厚 CCT:角膜厚 PD:瞳孔径 WTW:角膜径 角膜トポグラフィー | AL K TK:トータルケラトメトリー ACD LT WTW 角膜トポグラフィー |
対応計算式 | SRK-T/Barret UⅡほか | Barrett UⅡ / TK対応計算式など |
OA-2000Comfortの強み
- フーリエ解析:角膜の形状を球面・正乱視・非対称・高次収差に分けて分析し、詳細な角膜評価が可能
- ケラトQS:レーシック術後眼や円錐角膜のような不正乱視に対して、警告表示で補助
- 連携性とコストパフォーマンス:トーメー製品との無線接続、トレンド解析ソフトとの連携も可能
→[【新機種解説】白内障手術に必須の眼軸長測定器「OA-2000Comfort」とは?従来機種との違いも解説]
IOLマスター700の強み
- トータルケラトメトリー(TK)対応:角膜前面・後面を含めた総合的な角膜屈折力を取得でき、より精度の高いIOL計算が可能
- Barrett UⅡ TK:TKデータを取り入れたBarrett式計算で、術後屈折誤差の低減が期待できる
- 術中ナビゲーションシステムとの連携:ZEISS社のCALLISTO eye(カリスト アイ)と連携し、乱視軸マーキングなど術中支援が可能
まとめ|どちらを選ぶべきか?
白内障手術において、眼軸長測定の精度は術後視力の満足度を左右する重要な要素です。
OA-2000Comfortは、詳細な角膜評価やレーシック術後眼への対応に優れており、費用対効果の高い選択肢です。
一方、IOLマスター700は、TK(トータルケラトメトリー)や術中サポート機能など、プレミアムIOL対応や術中精度に強みがあります。
施設のニーズや対象症例に応じて、最適な一台を選定することが、白内障手術の質向上に繋がります。