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【眼科手術は3D時代へ】Leica PROVEO8xを徹底解説|特徴・進化ポイント・3D手術のメリット

眼科の手術現場では、近年 3Dモニターを活用した顕微鏡手術 が急速に普及しつつあります。

眼科領域は構造が極めて小さく、肉眼での観察や処置は実質的に不可能なため、高性能な手術顕微鏡の導入は治療の質を左右する重要な要素 です。

その中でも注目されているのが、Leica社の最新手術顕微鏡 「PROVEO8x(プロベオ8エックス)」 です。

従来の高評価機種「PROVEO8」をベースに、3D対応と操作性をさらに強化したアップグレードモデルとなります。


PROVEO8xとは?

PROVEO8x は、Leica Microsystems(ライカ)が開発した 次世代型の眼科手術用顕微鏡 です。

  • 高い光学性能で評価されてきた PROVEO8をさらに最適化
  • 最新の 3Dビジュアリゼーションに対応
  • 術者の姿勢負担を軽減し、長時間手術にも強い設計

特に網膜・白内障・緑内障・角膜など幅広い領域の手術に用いられ、“3D手術の標準化に向けた主力機種” として注目を集めています。


PROVEO8xのおすすめポイント

■ 1. Cアームデザインで視界を遮らない配置が可能

PROVEO8xは Cアームデザイン を採用しており、術者が 顔を上げた位置に3Dモニターを自然に配置 できるよう設計されています。

  • 術者の前方視野がクリア
  • 不自然な首角度が不要 → 疲労軽減・姿勢改善
  • 手術中の情報アクセス性が向上

長時間におよぶ硝子体手術でも、術者の負担が大きく減少します。


■ 2. 3種類の3D出力に対応|55インチ・32インチ・Myveoヘッドセット

手術スタイルに合わせて 3種類の3D視聴方法 が選べます。

  • 55インチ大型3Dモニター:手術チーム全体で術野を共有
  • 32インチ3Dモニター:限られたスペースの手術室でも設置しやすい
  • Myveoヘッドセット:個人最適化しやすく、可動性も高い

さらに、従来の 光学鏡筒とのハイブリッド使用も可能 なため、

「3Dと光学を切り替えながら使いたい」

というニーズにも柔軟に対応します。


■ 3. EVA NEXUSとの連携でパラメーターを画面上にオーバーレイ表示

DORC社の EVA NEXUS と連携することで、以下のようなパラメーターを 3D画面にオーバーレイ表示 できます。

  • 吸引値
  • カッター回転数
  • 環流パラメーター

これにより、

  • 顕微鏡から目を離す回数が減る
  • 術者の判断スピードが向上
  • 手術チーム全体で数値を共有でき、安全性アップ

など、手術効率と安全性の向上につながります。


まとめ|PROVEO8xは“3D手術の新しい標準”へ

PROVEO8xは、3D対応だけでなく 術者の姿勢・情報共有・操作性 を総合的に向上させた次世代型顕微鏡です。

  • Cアームで自然な視線移動
  • 3種類の3D出力で自由度が高い
  • EVA NEXUSとの連携でパラメーター表示
  • 従来光学とのハイブリッド使用も可能

眼科手術における「見え方」そのものを刷新する機種であり、今後の3D手術のスタンダードになる可能性が高い といえます。

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