視野検査では、検査結果の見方がわかりにくく、略語や数値に戸惑うことも多いですよね。
前回の記事では、進行評価に使われる「GPA-SFA」について解説しました。
今回は、直近3回分の検査結果を表示して、視覚的に推移を確認できる「GPA Last Three Follow-Up」について紹介します。
GPA Last Three Follow-Upとは?
GPA(Guided Progression Analysis)は、静的視野検査(ハンフリーなど)で視野進行を評価するための機能です。
そのなかで「Last Three Follow-Up」は、視野進行の傾向を視覚的に把握しやすい表示形式のひとつです。
緑内障などの慢性疾患では、視野の進行速度や傾向を把握することが診療において非常に重要です。
GPA Last Three Follow-Upは、そのニーズに応えるためにデザインされています。
Last Three Follow-Upの構成
この表示形式では、ベースライン視野(初期2回の平均)と直近3回の視野検査結果が横並びで図示されます。
それぞれに以下の表示がされます:
- グレースケール(視覚的に感度の低下が濃淡で分かる)
- パターン偏差プロット(局所異常の位置を把握)
- 感度の数値データ(実測閾値など)
- Deviation from baseline(ベースラインとの差)
- Progression Analysis(進行の評価)
- VFIスロープ(視野機能指数の変化率)
特徴と見方
- ベースラインからどのように変化してきたか、3回のデータを視覚的に比較できる
- GPA SummaryやSFAよりも「経過の流れ」や「パターンの変化」に注目しやすい
- VFIスロープが表示されることで、進行の有無だけでなく速度の目安も把握可能
- 「Likely progression(進行の可能性が高い)」「Possible progression(進行の可能性あり)」などの判定も表示される
他の表示形式との違い
表示形式 | 主な特徴 |
GPA Summary | ベースラインと最新1回の比較 + VFIスロープ |
GPA SFA | 通常の視野結果にGPAの要素を追加 |
GPA Last Three Follow-Up | ベースラインと直近3回分の経過を視覚的に表示 |
まとめ
- GPA Last Three Follow-Upは、緑内障視野進行の評価において「流れを見る」ための表示形式
- ベースラインとの比較、直近3回の推移、進行評価、VFIスロープを一画面で確認できる
- 視野進行をチームで共有するときや患者説明にも有用