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FAはどこまで見える?描出される血管や深さをわかりやすく解説

蛍光眼底造影(FA)は、フルオレセインという蛍光色素を使って網膜の血管の様子を可視化する検査です。

血管の漏れや詰まり、新生血管などを捉えるのに使われます。

では、FAで見えているのは、眼の中のどこまでなんでしょうか?

見えているのは「網膜の浅層〜中層」まで

FAで描出されるのは、主に網膜内の動脈・静脈・毛細血管です。

具体的には、網膜の浅い層から中間層にある血管網が対象になります。

一方で、そのさらに奥にある脈絡膜の血管(RPEより深い領域)は、FAではほとんど見えません。

これは、フルオレセインの光が網膜色素上皮(RPE)で遮られてしまうためです。

OCT-Aと比べると?

FAとよく似た立ち位置にあるのが、OCT-A(OCTアンギオグラフィ)です。

どちらも網膜の血管を描出する検査ですが、違いは「どうやって見ているか」。

  • FA:蛍光色素を使って血流の“動き”を可視化
  • OCT-A:色素を使わずに血管の“構造”を抽出

また、OCT-Aは層別に解析できるため、表層毛細血管・深層毛細血管・網膜下新生血管などを分けて観察できるのが強みです。

一方、FAは漏出や染まり(蛍光のにじみ)などの“血流の動的な異常”が捉えられます。

まとめると:

項目FAOCT-A
検査法蛍光色素を注射非侵襲
見えるもの血流の動き・漏れ血管の構造(層別)
観察対象網膜の浅層〜中層血管ILM〜脈絡膜の浅層
長所動的変化に強い層別・構造的に明瞭

→[OCT-Aってどこ見てるの?─SDとSSで違う「見える層」

まとめ:FAの描出範囲はここ!

  • 描出されるのは網膜血管(浅層~中層)
  • RPEより深い脈絡膜はほぼ見えない
  • 血管の“流れや漏れ”を見たいときに有用

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