白内障手術における切開創は、術後成績や侵襲性に直結する重要な要素です。
特に、眼内レンズ(IOL)挿入時の創口サイズは
👉 使用するレンズとインジェクターに強く依存します。
本記事では、
- 主要IOLの推奨切開創サイズ
- 創口サイズごとの分類
を一覧形式で整理しています。
※IOL全体の整理はこちら
推奨創口幅とは?
白内障手術では、器具およびIOL挿入のために角膜切開や強角膜切開を行います。
この際、
👉 最も大きな径で通過するのがIOL
であるため、
👉 IOLの推奨創口幅を基準に切開サイズを決定するのが一般的です。
※注意
レンズ度数や術式により実際の創口サイズは変動するため、あくまで目安として扱います。
推奨切開創サイズ別 一覧
〜2.2mm(小切開)
| メーカー | モデル | 補足 | インジェクター | 推奨創口幅 |
|---|---|---|---|---|
| HOYA | XY1-SP / ATx-SP | vivinex | プリセット | 2.2mm |
| HOYA | XY1-EM / Tx | インプレス | プリセット | 2.2mm |
| HOYA | XY1-G / GP / GTx / GPTx | ジェメトリック | プリセット | 2.2mm |
〜2.4mm(標準小切開)
| メーカー | モデル | 補足 | インジェクター | 推奨創口幅 |
|---|---|---|---|---|
| アルコン | CNA0T0/x | クラレオン | オートノミー | 2.4mm |
| アルコン | PXYAT0/x | パンオプティクスプロ | オートノミー | 2.4mm |
| アルコン | CNAET0/x | Vivity | オートノミー | 2.4mm |
| AMO | DCB00V | テクニス | シンプリシティ | 2.4mm |
| AMO | DIB00V | アイハンス | シンプリシティ | 2.4mm |
| KOWA | YP-2.2R / YP-Tx | アバンシィ | プリセット | 2.4mm |
〜2.75mm(やや拡大)
| メーカー | モデル | 補足 | インジェクター | 推奨創口幅 |
|---|---|---|---|---|
| アルコン | CNA0T0/x | 高度数 | オートノミー | 2.75mm |
| アルコン | PXYAT0/x | 高度数 | オートノミー | 2.75mm |
| アルコン | MN60AC | 3ピース | Cカートリッジ | 2.75mm |
〜3.0mm(大きめ切開)
| メーカー | モデル | 補足 | インジェクター | 推奨創口幅 |
|---|---|---|---|---|
| KOWA | AN6MA | ローパワー | メドショット | 3.0mm |
その他(特殊・情報不足)
| メーカー | モデル | 補足 |
|---|---|---|
| KOWA | PN6AS | 3ピース |
| Santen | NX-70S | 3ピース |
| HOYA | PY-60AD | 3ピース |
ここまでは“通常の整理”
多くの場合、
👉 この一覧を見て終わります
ただし、現場ではもう一つ重要な問題があります。
切開サイズと“ナイフコスト”の関係
切開サイズが決まると、
👉 使用するスリットナイフの規格も固定されます
そしてここに、見落とされがちな事実があります。
👉 スリットナイフは想像以上にコストが大きい
例えば、
- 1本あたり:約1,000円前後
- 1日10例の場合 → 約10,000円
👉 白内障パックと同等レベルのコストになる
つまり、
👉 切開サイズの選択=消耗品コストの固定化
よくある見落とし
- 「1本あたりは安い」と思っている
- パックに意識が集中している
- ナイフコストを別枠で見ていない
結果として、
👉 気づかないまま粗利を削る構造になる
判断の分岐
ここで考えるべきは:
- 切開サイズをどこに設定するか
- ナイフをどう選ぶか
- 症例あたりコストをどこまで許容するか
これは単なる術式の問題ではなく、
👉 “運用設計”の問題です
では、自施設ではどう考えるべきか?
ここで多くの場合、
- 習慣で決めている
- 深く考えずに選んでいる
という状態になります。
しかし実際には、
👉 症例数 × 単価 × 消耗品
で粗利は大きく変わります。
→ 採算ラインから逆算する
スリットナイフ単体では問題にならなくても、
👉 積み重なると確実に利益構造に影響します
そのため、
👉 白内障手術全体の採算の中で位置付ける必要があります
症例数・コスト構成から
「どのラインで利益構造が変わるか」を整理した記事はこちら
まとめ
- 推奨切開創サイズはIOLに依存する重要指標
- 小切開(2.2〜2.4mm)が主流
- 高度数・3ピースでは拡大が必要
最終的には、
👉 術式だけでなく“収益構造”まで含めて設計することが重要
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