TSAS(Tear Stability Analysis System)は、トーメーの複合機MR-6000に追加できるドライアイオプションに搭載された涙液安定性評価機能のことです。
簡単に言えば、「まばたきしないで、どれだけ涙が持つか」を測定するもの。
▶ TSASは何をしているの?
角膜に投影されたリング(マイヤーリング)の画像を連続撮影し、
時間の経過とともに涙液が乱れた瞬間=涙の安定性が失われたタイミングを検出します。
つまり、まばたき直後から涙が崩れるまでの「がまん時間」を測っているのです。
この指標はRing BUTと呼ばれ、従来のBUT(蛍光色素を使った方法)よりも非侵襲的で自然な涙の状態がわかります。
▶ なぜ連続撮影?
涙の乱れは一瞬ではわかりません。
時間経過に応じて、涙の膜がどこからどんなふうに崩れるのかを観察するために、
瞬きなしで数秒間連続記録を行います。
ソフトウェアが自動でリングの乱れを検出し、涙液の安定時間を数値化・可視化してくれるのがTSASの強みです。
▶ そもそも「なぜ乱れる」の?
涙は「水」だけでできているわけではなく、油(マイボーム腺由来)と粘液(ムチン)が層を成しています。
- 油が少ないと → 蒸発しやすい
- 粘液が不十分だと → 表面にうまく張りつかない
こうしたバランスの崩れがあると、涙はすぐに崩れてしまいます。
TSASはその“涙のバランス”を視覚的に把握できる貴重な検査です。
▶ まとめ
TSASは、「どれだけ涙が安定しているか」を見ることで、
ドライアイの診断や経過観察に役立つ最新技術。
眼に触れず、自然な状態を評価できるのが大きなメリットです。
「まばたきした直後から涙がどれだけ“がんばれるか”」、
そのがんばりを数字と画像で見せてくれるのがTSASなのです。