PanOptix Pro(パンオプティクス プロ)とは?
Clareon PanOptix Pro(パンオプティクス プロ)は、Alcon社が開発した最新の多焦点眼内レンズ(IOL)です。
従来より高い評価を得ていたPanOptixシリーズをベースに、光学ロスの低減を実現した進化モデルとなっています。
これまでのPanOptixは、世界的にも臨床使用実績や論文報告が豊富で、多焦点IOLの中でも確立されたポジションを築いてきました。
PanOptix Proはその基本設計思想を維持しながら、光利用効率をさらに高めた改良型モデルといえます。
PanOptix Proの主な進化ポイント
光利用率94%へ向上
従来モデルの光利用率は88%でしたが、
PanOptix Proでは94%へと約6%向上しました。
光利用率とは、眼内に入った光をどれだけ効率よく焦点へ分配できるかを示す指標です。
この改善により、以下の点が期待されます。
- 光学ロスの低減
- コントラスト感度の改善
- 夜間視機能の向上の可能性
多焦点IOLでは焦点間で光を分配する構造上、一定のロスが発生します。その中で6%の向上は、設計上意味のあるアップデートといえます。
遠方〜中間距離(約100cm領域)の強化
向上した6%の光利用率は、遠方〜中間距離(特に約100cm付近)へ再配分されています。
従来モデルではやや弱点とされることもあった距離帯です。
具体的には:
- デスクトップPC作業
- キッチン作業距離
- 車のダッシュボード視認
といった中間距離上限域の視機能強化が設計意図とされています。
「遠方と40cmは良好だが、100cm付近がやや甘い」という臨床上の印象を補完するアップデートといえるでしょう。
実績あるPanOptixの特徴を維持
PanOptixは、
- 世界的な使用実績
- 多数の学会発表・論文データ
- 高い患者満足度
といった裏付けを持つレンズです。
PanOptix Proは基本的なトリフォーカル設計思想を踏襲しており、コンセプトを大きく変えた製品ではなく、完成度を高めた改良モデルという位置づけです。
既存ユーザーにとっても導入しやすい設計となっています。
PanOptix Proのテクニカルデータ
| モデル | PXYAT0 | PXYAT2〜6 |
| 円柱度数 | – | T2〜T6 |
| 度数範囲 | +6.0D~+25.0D(0.5D Step) | T2〜T3:+6.0D~+25.0D(0.5D Step) T4〜T6:+6.0D~+21.0D(0.5D Step) |
| 全長 | 13.0mm | 同左 |
| 光学部径 | 6.0mm | 同左 |
| SRK/T(カタログ値) | 119.1 | 同左 |
| Barrett(カタログ値) | 1.94 | 同左 |
| 材質 | 紫外線•青色光吸収材含有アクリル樹脂(含有率1.5%) | 同左 |
| インジェクター カートリッジ | プリセット | 同左 |
まとめ
PanOptix Proは、
- 光利用率を88% → 94%へ向上
- 約100cm付近の中間距離を強化
- 実績あるPanOptix設計を踏襲
という、完成度をさらに高めた進化型トリフォーカルIOLです。
革新的な構造変更というよりも、臨床ニーズを反映させた堅実なアップデートといえるでしょう。
既存PanOptixを高く評価している施設ほど、検討価値のあるレンズといえます。
0.5ミリ先 