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近方視サポートを備えた単焦点眼内レンズ4種を比較|加入度数0.5D〜1.5Dの選択

今回は低加入度数の単焦点眼内レンズについて情報をまとめています。

※単焦点眼内レンズのため、加入度数という言い方は正確ではありません。

白内障手術後の見え方に対するニーズが多様化する中で、「遠くはクリアに見たいけれど、ちょっとした近方作業にも対応できると嬉しい」という声が増えています。

多焦点レンズほどの強い加入度数は不要だけど、わずかな手元補助がほしい——そんな要望に応えるのが、低加入度数を備えた単焦点眼内レンズです。

今回は、加入度数0.5D〜1.5D前後のレンズに焦点を当て、4つの代表的な製品を比較・整理しました。

「加入度数って何?」「多焦点じゃないのに近くも見えるの?」といった疑問に対しても、現場感覚を交えてわかりやすく紹介します。

AMO社 テクニスアイハンス

引用:エイエムオージャパン株式会社 ホームページ

モデルVB Simplicity DIB00VTVB Simplicity DIWxxx(150/225/300/375/450/525/600)
加入度数:IOL面
加入度数:角膜面
度数範囲+6.0D~+30.0D(0.5D Step)+6.0D~+30.0D(0.5D Step)
円柱度数範囲1.50D/2.25D/3.00D/3.75D/4.50D/5.25D/6.00D
全長13.0mm13.0mm
光学部径6.0mm6.0mm
A定数(カタログ値)118.8(超音波)/119.3(光学式)118.8(超音波)/119.3(光学式)
材質紫外線吸収剤含有アクリルーメタクリル架橋共重合体紫外線吸収剤含有アクリルーメタクリル架橋共重合体
インジェクター
カートリッジ
プリセットプリセット
DIB00V.DIWxxxレンズデータ

加入度数0.5D程度のようです。

低加入タイプの眼内レンズの中ではトーリック範囲が広くプリセットなのが強みです。

単焦点眼内レンズのためカタログには加入度数の情報がありません。

参天製薬社 レンティスコンフォート

引用:参天製薬株式会社 ホームページ

モデルLS-313 MF15LS-313 MF15(T1/T2/T3)
加入度数:IOL面
加入度数:角膜面
度数範囲+10.0D~+27.0D(0.5D Step)+10.0D~+27.0D(0.5D Step)
円柱度数範囲1.50D/2.25D/3.00D
全長11.0mm11.0mm
光学部径6.0mm6.0mm
A定数(カタログ値)118.0(超音波)/※118.5(SRK/T)118.0(超音波)/118.18(SRK/T)
材質架橋アクリルエステル共重合体架橋アクリルエステル共重合体
インジェクター
カートリッジ
エタニティーアクセスイーズ(LCJ)
※インジェクターカートリッジ一体型
エタニティーアクセスイーズ(LCJ)
※インジェクターカートリッジ一体型
LS-313 MF15レンズデータ

※SRK/T式用A定数は発売当初のデータです。

加入度数1.5Dです。

単焦点眼内レンズのため加入度数の情報はメーカーのお知らせにのみ記載されています

HOYA社 Vivinex Impress

引用:HOYA社 ホームページ

モデルXY1-EM
加入度数:IOL面
加入度数:角膜面
度数範囲+6.0D~+30.0D(0.5D Step)
円柱度数範囲
全長13.0mm
光学部径6.0mm
A定数(カタログ値)118.8
材質紫外線吸収性黄色軟性アクリル樹脂
インジェクター
カートリッジ
プリセット
XY1-EMレンズデータ

加入度数1.0D?程度のようです。

使いやすさが人気のXY1-SPと同じインジェクターです。

単焦点眼内レンズと使い分けても同じインジェクターです。[眼内レンズの選び方|よく使われる着色1ピースIOLをメーカー別に比較

ニデック社 ネックスアクリ エイエイ ワンピース(AktisSP)

引用:株式会社ニデック ホームページ

※画像から公式ページを確認できます。

モデルNSP-3
加入度数:IOL面
加入度数:角膜面
度数範囲+1.0D~+5.0D(1.0D Step)
+5.0D~+27.0D(0.5D Step)
+27.0D~+30.0D(1.0D Step)
円柱度数範囲
全長13.0mm
光学部径6.0mm
A定数(カタログ値)119.1
材質着色疎水性軟性アクリル樹脂
インジェクター
カートリッジ
プリセット
NSP-3レンズデータ

加入度数1.0〜1.5D?と聞いたこともありますが、データが少ないです。

+1.0Dの範囲から製造があります。

インジェクターはNSP-2と同様です。

まとめ

今回取り上げた4種類の単焦点眼内レンズは、いずれもわずかな加入度数によって近方視へのサポートを加えた設計となっています。

とはいえ、やはり単焦点眼内レンズであり近方視へのサポート性能は微々たるものです。[多焦点眼内レンズの特徴を詳しく解説|メーカー別の違いと選び

それぞれに異なる特徴があり、選定時に確認しておきたいポイントとしては以下の点があります:

  • 加入度数の強さと位置づけ(おおよそ0.5D〜1.5D程度)
  • 度数範囲とステップ幅
  • 円柱度数の有無とバリエーション
  • インジェクター/カートリッジの仕様
  • A定数や材質といった基本スペック

これらのレンズは、「はっきりした遠方視」を保ちながら、日常生活でのちょっとした手元作業を快適にする選択肢として注目されています。

患者さん一人ひとりのライフスタイルや希望に応じた提案ができるよう、こうした低加入度数レンズも視野に入れておくと診療の幅が広がりますね。

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