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静的視野計、どう選ぶ?|眼科開業医・買い替え検討者必見の比較記事

眼科診療において、静的視野計は経過観察の要とも言える重要な機器です。

ただ、ここ数年で選択肢が増え、「どれを選べばいいかわからない」「今の機種を替えても大丈夫か」といった悩みの声も多く聞かれます。

この記事では、主要メーカーの静的視野計を比較し、選定のポイントや注意点をわかりやすくまとめました。

開業準備中の先生や、買い替えを検討されている先生の一助となれば幸いです。

ツァイス社 ハンフリーフィールドアナライザー3 HFAⅢ

引用:カールツァイスメディテックジャパン株式会社 ホームページ

モデルHFAⅢ 800シリーズ
黄斑部閾値テスト24-2/24-2C/30-2/10-2
閾値測定方法SITA Standard/SITA Fast/SITA Faster/全点閾値/ファーストバック
スペシャルテストエスターマン片眼・両眼/上方36点/64点
モデル860のみ ・Auto TLC リキッドレンズ
モデル850以上・SWAP/SITA-SWAP
・キネティックテスト
・頂点間距離モニタ
・RelEYEモニタ
モデル840以上・キネティックテスト(オプション)
・ゲイズトラック
・ヘッドトラック
HFA3データ

ご購入の際の選択肢は4種類のモデル(860〜830)から選択の上、モデルごとに必要なオプションを追加できます。

“ゲイズトラック”機能が信頼性を担保してくれるので840以上が人気です。

同社のFORUMとシラスHD-OCTを連携させるとOCT画像に視野検査結果をオーバーレイすることができます。

クリュートメディカルシステムズ社 視機能評価機アイモvifa

引用:株式会社クリュートメディカルシステムズ ホームページ
モデルimo vifa
黄斑部閾値テスト30-2/24-2/10-2/24-2plus(1-2)/24-2plus(1)
閾値測定方法AIZE EX/AIZE/AIZE Rapid EX/AIZE Rapid
追加可能機能コントラスト感度検査

黄色マーカーはオプションです。

多くの視野計に搭載される、24-2Cとimo vifaの”24-2plus(1-2)”が近い機能を持ちます。

オリジナルプログラム『AIZE』は隣接する検査点にも検査結果を反映させる効率的なプログラムです。

『AIZE Rapid』はSITA Fast同様、検査点ごとの刺激回数を減らし効率化します。

『 EXモード』はSITA Faster同様、過去の検査データを参照することで時間短縮をはかります。

ご購入の際はほとんどの場合、コントラスト検査を追加するかどうかを検討するだけのシンプルな選択肢です。

コーワ社 自動視野計AP-7700smart Strategy

引用:興和株式会社 ホームページ

モデルAP-7700SS
黄斑部閾値テスト中心30(30-2)/中心24(24-2)/中心10(10-2)/中心24α(スタンダード以上)
閾値測定方法smart Strategy/smart Strategy α/smart Strategy α+
プロフェッショナルのみ眼底対応視野検査(検査結果を眼底画像へオーバーレイ)
スタンダード以上動的視野・視野障害等級判定支援機能(静的視野、動的視野)
ベーシック以上視野障害等級判定支援機能(静的視野のみ)
AP-7700SSデータ

眼底画像へのオーバーレイは各社のOCTから検査画像を取り込むことで処理可能で、同社に限らないのが強みです。

ハーグストレイト社 自動視野計OCTOPUS900/600

はじめにハーグ社のOCTOPUS独自の検査形式をまとめます。

OCTOPUSシリーズはハンフリーとは指標の配列から異なるため、近い機能として表示します。

モデルOCTOPUS900/600
黄斑部閾値テストG2(30-2)/M2(10-2)/32(24-2)
閾値測定方法ノーマル/ダイナミック/TOP/GST

閾値測定方法を以下、簡易的にまとめます。

  • 各検査点で4-2-1dBのステップで検査するノーマルストラテジー。
  • 視感度によって、このステップを省略するダイナミックストラテジー。
  • 各検査点で一回の指標表示に限定して高速化するTOPストラテジー。
  • スクリーニング検査のGST。

TOPストラテジーはSITA Fastに近い高速化方法のようです。

オクトパス900
オクトパス600

引用:アールイーメディカル株式会社 ホームページ

モデルOCTOPUS
900(AU-900-P)動的視野・自動固視監視・自動瞳孔追尾・両眼エスターマン検査
600(AU-600-PA)暗室不要

動的視野の機能を持った900とOCTOPUSの良さをコンパクトにまとめた600から選択できます。

ハンフリーに近いデータ出力が可能です。

ファインデックス社 GAP/GAP Screener

引用:ファインデックス社 ホームページ

モデルGAPGAP Screener
黄斑部閾値テスト30-2/24-2/10-2
閾値測定方法

特徴は以下:

  • ヘッドマウント式。
  • アイトラッキングによる検査が選択可能。

他社と比べ、据え置き型の大きな筐体が不要で持ち運びも可能です。

まとめ

静的視野計の選定は、単なるスペック比較ではなく「診療スタイル」や「経過観察の継続性」を見据えた判断が求められます。

特に機種変更による検査データの連続性、電子カルテとの相性などは慎重に確認が必要です。

本記事が、先生方の機器選定における一つの視点となれば幸いです。

もし気になる機種があれば、実機デモや他施設の使用感もぜひ参考にされてください。

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