白内障手術を新たに始めるにあたって、どの機器が必要なのか、何から手をつければいいのか悩まれる方は多いかと思います。
本記事では、白内障手術に最低限必要な医療機器を検査室・手術室ごとに整理し、開業や導入時の参考になるように構成しました。
各器械の詳細や、選定のポイント、対応機種の一覧記事などへのリンクも順次ご紹介しますので、ハブ記事としてブックマークしていただければ幸いです。
■ 白内障手術に必要な設備の全体像
白内障手術を安全かつ効率的に行うためには、以下の3エリアの整備が不可欠です。
- 検査室:術前検査・術後経過観察
- 準備室:器械・消耗品管理、清潔/不潔の動線管理
- 手術室:手術そのものを行うスペース
本記事では「検査室」と「手術室」にフォーカスして、必要な医療機器をご紹介します。
【検査室】に必要な白内障関連機器
白内障手術前後には、適切な術前評価と術後の経過観察が不可欠です。以下の機器は特に導入頻度が高く、白内障診療における“基本セット”といえます。
1. スペキュラーマイクロスコープ(角膜内皮細胞計測装置)
目的:角膜内皮細胞数を測定し、術前適応の判断および術後の経過を観察します。
ポイント:
- 白内障手術は眼内手術に分類され、術前後の角膜内皮評価が必須
- コンタクトレンズ診療との相性も良く、導入メリットが多い
2. 光眼軸長測定装置(IOLマスターなど)
目的:眼内レンズ(IOL)の度数を算出するために必要な生体計測装置です。
ポイント:
- 術前検査での使用が一般的ですが、術後検査でも算定可能
- 最新機器では角膜形状や後房深度、角膜後面計測も可能
→[【徹底比較】OA-2000Comfort vs IOLマスター700|白内障手術における光眼軸長測定の最新機種]
→[【新機種解説】白内障手術に必須の眼軸長測定器「OA-2000Comfort」とは?従来機種との違いも解説]
3. YAGレーザー(後発白内障治療)
目的:術後に起こりうる後発白内障に対する標準治療機です。
ポイント:
- SLT(選択的線維柱帯形成術)にも対応可能な複合機が人気
- 緑内障診療を想定した機種選びがコスパの観点で重要
【手術室】に必要な白内障手術機器
1. 白内障手術装置(超音波乳化吸引装置)
目的:水晶体を乳化し、吸引・除去するための中核装置です。
ポイント:
- 超音波モード、灌流システム、吸引安定性などが選定の鍵
- 熟練度や過去の使用経験が導入時の決定要因になることが多い
→[白内障手術に欠かせないフェイコマシン4機種を徹底比較|メーカー別の違いと選び方]
2. 手術顕微鏡
目的:術野を拡大・明視し、正確な操作を可能にします。
ポイント:
- 対物レンズの性能、照明の均一性、3D機能などが比較ポイント
- 操作性・視認性は最重要。多くの医師が「慣れ」で選んでいます。
3. 電動手術台(リクライニングチェア型)
目的:手術中の患者体位を安定させ、術者・助手の動作も快適にします。
ポイント:
- 多くの施設でリクライニングチェア型が選ばれています
- 患者の乗降や体位変換がスムーズで、高齢者にも優しい設計
■ 初期導入コストと投資の目安
白内障手術の導入には、検査・手術室を合わせて数千万円規模の投資が想定されます。
しかし、白内障手術は自費ではなく保険診療で安定した収益が見込める領域であり、長期的にみれば回収可能な投資といえるでしょう。
■ まとめ:白内障手術を始めるなら、まずは機器選定から
白内障手術の導入にあたっては、必要な機器の種類と役割を正しく理解することが第一歩です。
本記事をスタート地点として、それぞれの詳細記事もあわせてご活用ください。
今後も「機器の選定ポイント」や「導入の実例紹介」などを順次追加していく予定ですので、ぜひブックマーク・シェアしていただけると嬉しいです。