今回は、白内障手術で用いられる光眼軸長測定装置(Optical Biometer)を比較します。
この記事はこんな方におすすめです
- 開業して白内障手術を行おうと考えている眼科の先生
- 光眼軸長測定装置の買い替えを検討している方
- 各メーカーの装置を比較したい方
はじめに
以前は検査結果が得られないことも多かった光眼軸長測定装置ですが、近年は検査完了率が大幅に向上しています。
現在では、超音波眼軸長測定装置(Aモード)を用いずとも手術対応が可能なモデルが主流となっています。
今回はその中でも、検査完了率が高く実績のある3機種をピックアップします。
検討のポイント
- どんなオプションがあるか
- 他の機器との連携が必要かどうか
アルコン社|SS-OCTバイオメータ ARGOS

モデル:ARGOS ver1.5
連携機器:
VERION
主な特徴
- 計算式に Barrett(バレット式) を標準搭載
- VERION と連携することで手術室へのデータ移行が容易
💡ポイント:
デジタルトーリックマーカーを活用する場合は、ARGOS+VERIONでの導入しかできないため、将来的にご検討の場合はこの機種がおすすめです。
カールツァイスメディテック社|SWEPT Source OCTバイオメーター IOLマスター700

モデル:IOLマスター700
オプション:
Barrett Suite(バレット式) / Central Topography(中心トポグラフィー) / Total Keratometry(角膜前後面測定)
連携機器:
CALLISTO eye
主な特徴
- オプションで Barrett式 に対応
- オプションで 中心トポグラフィー機能 を追加可能
- オプションで 角膜前後面のケラト値測定 に対応
- CALLISTO eye との連携により手術室へデータをスムーズに移行可能
💡ポイント:
長い歴史を持つIOLマスターシリーズの最新モデルであり、信頼性・拡張性ともに高い装置です。
→[【徹底比較】OA-2000Comfort vs IOLマスター700|白内障手術における光眼軸長測定の最新機種]
トーメー社|光学式眼軸長測定装置 OA-2000 Comfort

モデル:OA-2000 Comfort
オプション:
Barrett式 / Axial Manager(トレンド解析ソフトウェア)
連携機器:
CASIA2 Advance / AL-4000
主な特徴
- オプションで Barrett式 に対応
- 中心トポグラフィー機能を標準搭載
- フーリエ解析を一部搭載
- オプションで Axial Manager(眼軸長トレンド解析) を追加可能
- CASIA2 Advance との連携で前眼部解析を効率化
- AL-4000 と連携して超音波データを組み合わせた計算が可能(OA-2000 Comfort上で処理)
💡ポイント:
オプションで近視管理にも対応できるようになり、汎用性が高いモデルです。
→[【新機種解説】白内障手術に必須の眼軸長測定器「OA-2000Comfort」とは?従来機種との違いも解説]
まとめ
| メーカー | モデル | Barrett式対応 | 連携機器 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| アルコン | ARGOS ver1.5 | 標準搭載 | VERION | 術前〜術中の連携に強い |
| ツァイス | IOLマスター700 | オプション | CALLISTO eye | 信頼性と拡張性が高い |
| トーメー | OA-2000 Comfort | オプション | CASIA2 / AL-4000 | コストパフォーマンスと柔軟性に優れる |

