広角眼底カメラは、網膜全体や視神経、血管の状態を広範囲にわたって観察できる医療機器です。
従来の眼底カメラは、眼底のごく一部を撮影することが一般的であったため、目の奥の状態を完全に把握するには何度も撮影を繰り返す必要がありました。
広角眼底カメラとは?
眼科領域で重要な役割を果たす機器の一つが「広角眼底カメラ」です。
従来の眼底カメラでは網膜の一部しか観察できませんでしたが、広角眼底カメラはその名の通り、眼底の広範囲を一度に撮影することができるため、診断や治療の精度を大きく向上させています。
今回は、広角眼底カメラの基本情報から、その有用性、選び方までを詳しく解説します。
今回は診察業務の負担軽減におすすめの広角眼底カメラを比較します。
主要メーカーの広角眼底カメラを比較
メーカー | モデル名 | 画角(1shot) | FA追加 | ICG追加 | OCT追加 |
オプトス | California RGB | 200° | ⚪︎ | ⚪︎ | × |
カールツアイス | CLARUS | 133° | ⚪︎ | × | × |
ニデック | Mirante | 163° | ⚪︎ | ⚪︎ | ⚪︎ |
オプトス社 超広角走査型レーザー検眼鏡California RGB

引用:株式会社ニコンソリュージョンズ ホームページ
※画像から公式ページを確認できます。
モデル | RGBモデル | RGB FAモデル | RGB ICGモデル |
撮影種類 | 合成カラーrg・rgb画像、レッドチャネル、グリーンチャネル、自発蛍光(AF) | 合成カラーrg・rgb画像、レッドチャネル、グリーンチャネル、AF、FA | 合成カラーrg・rgb画像、レッドチャネル、グリーンチャネル、AF、FA、ICG |
撮影画角 | 200° | 200° | 200° |
必要瞳孔径 | 2mm以上(無散瞳) | 2mm以上(無散瞳) | 2mm以上(無散瞳) |
ビューアーソフト | OptosAdvance | OptosAdvance | OptosAdvance |
California RGBの特徴
- 撮影の種類に応じてモデルが変わります。
- 顎台と額あてが搭載されています。
オプトス社 超広角走査型レーザー検眼鏡Daytona

引用:株式会社ニコンソリュージョンズ ホームページ
※画像から公式ページを確認できます。
モデル | Daytona | DaytonaNEXT | DaytonaPlus |
撮影種類 | 合成カラー、レッドフリー、レッドレーザー、自発蛍光(AF) | 合成カラー、レッドフリー、レッドレーザー、自発蛍光(AF) | 合成カラー、レッドフリー、レッドレーザー、自発蛍光(AF) |
撮影画角 | 200° | 200° | 200° |
必要瞳孔径 | 2mm以上(無散瞳) | 2mm以上(無散瞳) | 2mm以上(無散瞳) |
ビューアーソフト | V2 Vantage ProReview | OptosAdvance | OptosAdvance Auto-Montageソフト搭載 |
※V2 Vantage ProReviewは複数の画像を同時に表示することができます。
※OptosAdvanceはV2 Vantage ProReviewに加えて画像の一部を拡大することができます。
※Auto-Montageは最大5枚の別固視画像を合成します。(最大画角225°)
Daytonaの特徴
- 搭載されるソフトウエアによってモデルが変わります。
- 合成で最大225°の画角を撮影できます。
カールツァイスメディテック社 走査型超広角眼底撮影装置CLARUS

引用:カールツァイスメディテック株式会社 ホームページ
※画像から公式ページを確認できます。
モデル | 500 | 700 |
撮影種類 | カラー、FAF Blue、FAF Green、IR(赤外線)、外眼部画像 | カラー、FAF Blue、FAF Green、IR(赤外線)、外眼部画像、FA |
撮影画角 | 133°、200°(2画像パノラマ)、267°(6画像パノラマ) | 133°、200°(2画像パノラマ)、267°(6画像パノラマ) |
必要瞳孔径 | 2.5mm以上 | 2.5mm以上 |
CLARUSの特徴
- フルオレセイン蛍光眼底撮影機能の有無でモデルが変わります。
- リアルカラーの眼底画像です。
- 合成で最大267°の画角を撮影できます。
ニデック社 共焦点走査型ダイオードレーザ検眼鏡Mirante

引用:株式会社ニデック ホームページ
※画像から公式ページを確認できます。
モデル | SLO/OCT |
OCT機能 | |
スキャン範囲 | 3~16.5mm(X方向),3~12mm(Y方向), |
スキャンスピード | 85000A-Scans/秒 |
光学解像度(Z方向) | 7㎛ |
必要瞳孔径 | Φ2.5mm以上(推奨3.0mm) |
眼底カメラ機能 | |
撮影種類 | カラー、FA、FAF、ICG、レトロモード、レッドフリー |
撮影画角 | 89°(広角アタッチメント装着時163°) |
必要瞳孔径 | Φ3.3mm |
Miranteの特徴
- OCT機能無しを選択できます。
- リアルカラーの眼底画像です。
広角眼底カメラの選び方
広角眼底カメラにはいくつかのメーカーやモデルがあり、それぞれ異なる特徴を持っています。
選ぶ際に重視すべきポイントは以下の通りです。
視野角度の違い
広角眼底カメラには、視野角度が異なる複数のモデルがあります。
眼底カメラは45度~200度の視野角を持つものが多く、診療に必要な範囲に応じて選択します。
視野角度が広いほど、一度の撮影で網膜の多くをカバーできます。
画像の解像度と画質
画像の解像度が高いと、細かい異常や微細な病変を見逃すことなく検出できます。
高解像度の画像を提供するカメラを選ぶことで、診断の精度が向上します。
まとめ
広角眼底カメラは、眼科診療における非常に強力なツールで、網膜疾患の早期発見や診断の精度向上、患者さんの負担軽減に大きく貢献しています。
高解像度の画像を提供し、視野全体を一度に観察できるため、従来の眼底カメラでは難しかった診断が可能になりました。
これからの眼科診療において、広角眼底カメラはますます欠かせない存在になることは間違いありません。